学校について

学校 たねの木は、2021年4月から始まった子どもと大人で共に作る学び場です。
学び場といっても、勉強を一方的に教えることはありません。野山を駆け回る、米や野菜を育てる、料理、大工仕事、縫い物といった「生きること」をじっくりと行う場です。生きること、「今を生きること」に集中すると、「ないこと」ではなく、「あること」に意識が向き、心が満たされていきます。子どもは子どもらしくそのまま今を生き、大人は子ども達の姿を見つめ、見守りながら生きることの楽しさとおもしろさを背中を通して伝えていきます。

一般的なフリースクールのように子どもを預かるだけではなく、親子で一緒に過ごすこともできます。子ども達の活動を見守りながら生活を作っていくためには大人の手が必要です。親御さんをはじめ、この活動に共感してくださる方の協力も得て、子どもも大人も安心して育ち合える場を作っています。

たねの木は、目的を掲げません。生きることや生活に目的はなく、生きていること自体に意味があると考えているためです。人が集い、必要なこと、やりたいことをやっていけばいろんなことが起こります。その瞬間をつぶさに見つめ、対話しながらたねの木を育てています。

大事にしていること

子どもは自ら成長する力を持っています。
大人はその力を信じて見守り、子どもと一緒に成長していきます。
共に育っていける環境を作るために
たねの木では4つのことを大事にして過ごします。

安心できること

「しんどい」「イライラする」「誰かにくっついていないと不安」「嬉しい」「嬉し過ぎてどうにもならない」「自分の気持ちがうまく伝えられない」「何か嫌だ」どんな感情もそのまま出せる。そのまま出したら、「そうなんやね」と受け止められて、ちょっとホッとして、そのままの気持ちと一緒に過ごす。「こうあらねば」と力む気持ちを横に置いて、自然体の自分でいられることを大事にします。この環境を作っていくためには、一人一人の存在を感じ、大切にしながら本音を伝え合える関係をまずは大人が築いていくことが大切だと考えています。

じっくりと生活すること

畑の野菜や野草を採りに行って、お昼ご飯を作る。山にひと休みのための休憩所を建てる。布巾を縫ったり、穴の空いたズボンを繕ったり。生きていくための仕事は尽きることがなく、それらの中には、学びの要素が散りばめられています。たねの木は、子どもと大人で共に作る学び場であり、生活の一部を一緒に過ごす場でもあります。掃除、庭木の剪定、草取り、家の修繕、畑のこと等を一緒に行います。子どもは一緒にしたり、別の好きなことをしたりして過ごします。その風景を見たり、感じたり、一緒に手を動かしたりできる環境があることが大事だと考えています。

自然の中で過ごすこと

自然の中で過ごし、そこで出合えることをあじわいます。鳥のさえずりを手がかりに姿を探したり、同じ野花を来る日も来る日も眺めたり。人間を超えた存在を認識し、驚いたり、その力強さを感じたりする感性を育むことを大事にします。

アメリカの海洋生物学者レイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』に次のような一節があります。

「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく驚きと感激にみちあふれています。残念なことにわたしたちの多くは大人になるまえに澄み切った洞察力や美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときは全く失ってしまいます。もしもわたしがすべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けて欲しいとたのむでしょう」

探求すること

「おもしろそう!」「やってみたい!」という好奇心を起点にその日に行うことを話し合いながら決めていきます。やりたいことの中には、できないことやわからないこともきっとたくさんあります。わからないことは、大人(地域の詳しい方にも)に聞いたり、図鑑や本で調べたりしながら答えを探していきます。「算数、理科、国語」といった教科からではなく、好奇心を起点に学ぶことで、関心のあることを深く掘り下げ、分野に捉われない横断的な知識や知恵を体得していきます。心が動いた先にある学びは、一生の財産になります。また、自分がやりたいことを実現していく過程には、他者のやりたいことも認めながら、調整するという大事な学びもあります。

募集について

対象
6〜12歳(小学生)
定員
8名程度
登校日
木曜日、金曜日(2024年4月から週2回に変更しています)
春、夏、冬に長期休暇あり
費用
入学金10,000円

親子参加の場合の料金
18,000円/月(週2回)

預かりの場合の料金
25,000円/月(週2回)

※教材費が1学期ごとに6,000円かかります
※冬は暖房費が別途必要です
※食材を持ち寄ってお昼ご飯を作っているので、基本的に食費はかかりません
※費用を改定することもあります

体験
ご希望の方は、問い合わせフォームよりご連絡ください。 体験料は1回、1家族1,500円かかります。

入学を検討される方には、3日間体験してもらいます。その都度、感じたことを話し合う時間を設け、入学の有無を検討していただきます。主宰者側も受け入れの検討をし、場合によってはお断りすることもあります。互いにとって最良の選択となるようにと考えています。

入学に際してご理解いただきたいこと
食べるものは、心身を作ると考えています。食材や調味料は、食べる人のことをしっかりと考えて作られているものを選びます。
子どもが成長していくために大人ができることは、子どもの心の動きを感じ、受け止めながら見守っていくことだと考えています。 これは容易なことではありません。思うことや感じることを互いに話す機会をひと月に一度設け、子どもとの向き合い方を考える時間を作っています。

一日の流れ

9:00 開校
9:30  はじまりの会(話したいこと、1日のプラン)
10:00  午前の活動
12:00  昼食(昼食を作る日と弁当の日があります)
13:00 午後の活動
14:30 片付けと掃除
15:00 終わりの会
15:30 下校

季節ごとの活動例

【春】

竹の子掘り、よもぎ摘み(お茶やよもぎ餅作り)、わかめ拾い、夏野菜の定植

【夏】

海遊び、川遊び、虫採り、梅の加工(梅干し、梅ジュース)

【秋】

草木染め、落ち葉遊び、落ち葉拾い(腐葉土づくり)

【冬】

味噌づくり、漬物づくり、大工仕事